おなかへった

全部フィクションだから心配しないでね。

いい子になりたかった

 

 

 いい子になりたかった。人から好かれたいし嫌われたくない。優しい、可愛い、そんな特性を一個一個手にいれて人に愛されたかったし受け入れて欲しかった。自分のいない場所であの子はいい子だよねっていっぱい言って欲しかった。

 

 褒められる、喜んでもらえる、相手の反応を見て自分がした何かで相手が心地よくなってくれるのが嬉しかった。性行為はそれに似た気持ち良さがある。自分が触った刺激で相手が気持ちよくなってくれると嬉しい。相手が気持ちよくなるっていう見返りを求めて触ってるんだと思う。

 

 

 いい子になるのは簡単だ。相手の言って欲しいことを適当に言って、ずっとにこにこして何も否定しなくて肯定してれば人から愛される。とりあえず黒髪ストレートで白いワンピースでも着ておけば喜んでもらえる。

 

 いい子には明確な定義があってそれに当てはめるために自分をどんどん殺している気がする。相手のためとかいう本当は自分のための努力を重ねて出来上がった自分に代わりなんていくらでもいる。ただ相手を映し出すだけの鏡だ。私自身の絶対的な評価対象を一人の男にして生きてきてたな人生。

 

 恋愛すると特にいい子になりがちだ。なんて言えば相手が喜んでくれるかわかるから、ロボットみたいになっていく。好きな男のツイッターのフォローしている芸能人の髪型とか服装に合わせたり、好きなアイドルの動画を何分も見て話し方とか仕草を真似したりとかしてたウケる。そんな感じで私じゃない何か相手の理想を必死にまとって好きになってもらってでもだんだん化けの皮が剥がれてほとんどの恋愛3ヶ月続いたことなくてやっぱりウケちゃうな。

 

 相手の理想に染まるんじゃなくてこのまんまの私のこと好きで居て欲しいしずっとこっち見てて欲しい。自分の可愛いところなんて自分が一番知ってるんだから可愛くないところこそ一番愛して欲しいんだよ。なんて思った。痩せなきゃ〜〜って思いながらもつい買っちゃったセコマのポテト140円という破格で美味しかった。一個一個知ってやっぱり理解できなくて分かり合えないし、性行為しても何しても1つになれないし永遠に2つだけどそんな恋愛まるごと抱えて8cmのピンヒールで突っ走っちゃお。って思ったけどやっぱり二歩進んだだけで転んじゃいそうだから座って大人しく本でも読んでるね。