おなかへった

全部フィクションだから心配しないでね。

おんなのこ

 

 

 おんなのこになりたい。女の子じゃなくておんなのこ。柔らかくて真っ白で甘いバニラの匂いがして口にいれるとすぐにとけちゃうマシュマロみたいな。儚くて可愛い尊いもの。

 

あんな折れそうな華奢な体だったり、ピンヒール履いてるくせに女の子みんな強すぎる。わかんないふりしたり悲しくて泣いたりするのなんて男の前だけだよ、ばかなふりしてるだけだよ。だってその方がかわいいでしょ。今日もかき氷のシロップ見たいな透明な雫を爪の上に乗せて、自分を守るために生えてきたもの一本一本剃って、ラメたっぷりのピンク色のくちびるで嘘ばっかついてるんだよ〜〜〜〜だって女の子だもん。

 

 初めて恋人と体を重ねた後にトイレで真っ赤に染まった水にぷかぷか浮くクラゲみたいなトイレットペーパーを眺めた日から私だって好きな人の前では女の子だ。頑張ってちゃんと性別使ったんだよ。お気に入りのワンピースもレースの下着もかわいいの装備を外した姿でもかわいくあれたのかな。

 

 ずっと一緒にいたいのに、帰るだなんて言うから寂しくて死んじゃおうかと思った。でも痛いの怖いし辛いの嫌だからやっぱりやめたの偉いでしょ。ほめて。ずっと大好きだから独り占めしたいだけなのに、すきすき言ってたらすぐメンヘラって言われちゃうの恋愛七不思議の1つすぎない?あなたのことしか考えてないのにあなただからこうなってるし真面目の証なんだけどな。バイバイっていう時、相手の口にポテト突っ込んで振り返らずににつかつか歩いたけど、一番近い地下への入り口じゃなくて曲がり角のところまで歩いたのはちょっとでもこっち見て欲しかったからだよ。私が見てなくてもこっちみてね。寂しくて泣いちゃうかと思ったけど、ポテトがなくなる頃にはもう今日に晩御飯の献立を考え始めてた。一緒にいない間は忘れちゃえればいいのに。

 

 

 好きって何回言われても可愛いって何回言われても足りないしすぐ空っぽになっちゃうから、寂しくて寂しくてまた新しいお洋服買っちゃったし、いちご味のアイス買っちゃった。寂しくなった時自分へのご褒美あげすぎて効果なくなった。だから早く会いに来てよ〜〜〜〜〜〜もう一人ぼっちじゃ満たせないよ。今まで何を楽しみに生きてきたか忘れた。えっちしなくても一回ちゅーするためだけに家の前まで来てほしい。

 

 おそろいのものを身に付けてもこの気持ちはおそろいにならないし、私の初めてあげてもあなたは誰かと昔した何かのリピートだし、私がどんなにすきすきいってもあの時あなたの腕の中にいたあのクソ女も生きてるのちょっとよくわかんないし本当は今すぐ死んで欲しい。あの女の子にブスって言ってきてお願い。やっぱりもう2度と関わって欲しくないから何も言わないで早く忘れて私のことだけ考えて。周りにいる女の子みんな大嫌いなんで私じゃないんだろう。普通に可愛いも優しいも楽しいも自分が一番じゃなきゃいやだ。でも二番も三番のいたらやだ。私だけにしてくれなきゃいやだ。ちゅーしてる時幸せだったけど昔ほかの女もこうやって同じことされてるのかって思うと死にたかった。なんで私は一番最初になれなかったんだろう。最初から最後までずっと一貫して私だけのが良かった。結婚しても気持ち縛れないのいやだから、もうふたりぼっちで生きていくためには一緒に死ぬしかない。でもこんな苦しさも悲しさも一人じゃ生まれなかった感情だから出来るだけデコって可愛くして持ち歩きたいな。メンヘラって呼ばないでよね、一生懸命好きなだけだよ。って田舎のおばあちゃんが言ってました。